百姓

 百姓とは、農家を指す言葉ではなく、「何でもする」という意味である。昔の農家は大きな門があり、沢山の小作人が住んでおり、何でも自分たちでしていた。武装しており、土豪と言ってもいいくらいの農家もあった。稲作でつちかったチームワークで戦国を生き抜いたわけである。戦前までは家制度があり、地方にはリーダーがいた。地域社会は、セーフティネットであり、警察であり、職場であり、行政機関であった。
    家制度が崩壊して久しい。現在では皆平等で長幼の序というものがないため、知識層は知識層で固まり、フォロワーはフォロワーで階層を作る。
 また、社会の変化が頻繁に起こるようになった。100年同じ体制であれば一生生活習慣を変えないで済む。ここ100年で、戦争があり、高度経済成長があり、IT革命があった。世代間でも分断が起きている。
 自由であるが、自分で考えて社会サービスを利用し、仕事を見つけ、身の安全を確保しなくては誰もやってくれない。個人で「百姓」しなくてはならないわけだ。